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おいしい豚肉を 秩父市・上原ファーム


  チーズを製造するときに出るホエイ(乳清)。原料である生乳の約90%がこのホエイとして排出されますが、捨てようと思うと産業廃棄物として処理しなければなりません。豊富なたんぱく質(ホエイプロテイン)を含むだけに活用方法はたくさんあります。 秩父やまなみチーズ工房では飲食店で利用してもらうほかに、工房から5キロほどにある上原ファーム(秩父市)の豚たちに飲んでもらっています。
 乳酸菌や乳糖、ミネラル、ビタミンなど動物の成長に必要な栄養素が豊富なホエイ。ホエイを飲んで育った豚は脂肪に甘味があり柔らかいといわれています。 ホエイで育った上原ファームの豚たちも「秩父ホエイ豚」としてレストランなどでの利用が徐々に広がっています。
上原ファーム社長の上原章男さん。父である先代が現在の地で創業して60年ほどになります。上原さんは獣医大を卒業後、養豚企業勤務を経て、家業を継ぎました。

 上原ファームは、豚の繁殖から肥育まですべてを自前で行う一貫経営の養豚場。上原さん、奥様、スタッフで約100頭の母豚を飼育します。
 養豚業の出発点となるのが種付けと分娩です。妊娠期間は114日間。豚は一回の出産で10頭ほどの子豚を出産します。生まれた子豚はまず母乳を飲み免疫力を養い、それから哺乳・離乳・肥育と約180日をかけて出荷できる状態に仕上げていきます。180日間といえば6か月、牛などとくらべても比較的短い期間で出荷するため、エサや飼育環境などどれだけきめ細かい飼育ができるかどうかが肉質に大きな影響を与えます。


 エサは上原さんが一番のこだわり。一般的にはトウモロコシが多く配合されますが、上原ファームでは肉の締まりや脂身の旨味を大事にするために割高の大麦を多めにしています。

 もう一つのこだわりは衛生管理の徹底です。豚は繊細な動物で、インフルエンザや肺炎などの伝染病も少なくありません。り患してしまえば豚たちの成育に大きな影響が出ます。それだけに豚の健康管理には細心の注意を払っています。

また環境問題への対応も重要な課題。糞は醗酵させて肥料として販売するなど地域の環境に負荷をかけない経営にも気を配っています。

 かつては屠場があり、モツ焼きなど豚料理が名物の秩父。この秩父の地で消費者においしいと言ってもらえる豚肉づくりに注力しています。 (高沢徹)