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牛にやさしく小鹿野町・吉田牧場




秩父やまなみ工房は、チーズの原料である生乳のすべてを工房から8キロのところにある秩父郡小鹿野町の吉田牧場から仕入れています。



社長の吉田恭寛さんは牧場の三代目。高校は北海道の酪農学園で学び、埼玉の農業大学に進学。卒業後はアメリカ・ワシントン州の牧場で2年間働きました。その後、地元に帰って牧場を継ぎました。勉強熱心で国際感覚もあり、フットワークも軽い、いつも刺激を受けています。




吉田牧場は現在、乳牛約80頭、肉用牛約30頭を飼育しています。乳牛の種類はホルスタインを中心にジャージーとブラウンスイス。毎日1200〜1300?、年間で約390トンの生乳を生産しています。生乳のほとんどは小鹿野町内の乳業会社、戸田乳業で加工され、小鹿野町をはじめ秩父市、長瀞町、東秩父村、皆野町、横瀬町の小・中学校の学校給食に提供されています。

秩父の子供たちはみんな吉田さんの牛乳を飲んで大きくなったと言えます。


牛の飼育で重視しているのは「牛にやさしい」ということ。「ちゃんと接すれば間違いなく美味しい牛乳を出してくれ、ちゃんと返してくれる」といいます。牛たちが自由に歩き回れるフリーバーン牛舎の中でくつろぐ牛たちを見るたびに、牛乳を大事に使わなければという思いをいつも新たにしています。



吉田さんはエコフィールにも積極的に取り組んでいます。エコフィードとは食品残さなどを利用し飼料のこと。食品リサイクルによる資源の有効利用だけでなく、飼料自給率の向上を図る上で重要な取り組みとして注目されています。吉田牧場では地元・秩父の日本酒、ウイスキー、ビールの絞り粕をはじめ、あずきや豆腐、もやしなどの野菜、パイナップルなどの果物といった残差を飼料として活用しています。



また酪農を通じて食や命の大切さを学ぶ「酪農教育ファーム」の認証を受けて、小中校生を対象にした酪農体験活動を積極的に展開しています。酪農教育ファームは、子どもたちに酪農体験を通じて「食や命の大切さ」を学んでもらおうという事業です。年間約2000人の子供たちの見学を受け入れ、学校に出向く「出前授業」も取り組んでいます。

忙しい日々になかで、吉田さんはなぜこうした活動に取り組むのか。牛がどうやって牛乳を出しているのかを実際に自分の目で見、知ることで食事や命の大切さを伝えたいと考えているからです。
(高沢徹)